内定者自殺、入社前パワハラ防ぐには 「第三者の目で」

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滝沢卓
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 男子大学生が就職内定先の企業の人事課長からパワーハラスメントを受け、昨年2月に自殺したと、遺族側代理人の弁護士が9日に発表した。内定者へのパワハラは、なぜ悪質なのか。企業にはどのような対応が求められるのか。就職活動をめぐる労働問題に詳しい光永享央弁護士に聞いた。

 今年6月から、まず大企業に対して、職場でのパワーハラスメントを防ぐことが法律で義務づけられる。中小企業は2022年4月から義務化される。罰則をともなう「禁止」の規定はないが、パワハラ防止が明確に法律で定められる。

 この法律に基づく指針では、パワハラ防止のための研修や、パワハラをした従業員への懲戒規定を就業規則などに盛り込むこと、相談窓口を設置して被害を受けた従業員からの相談に広く応じること、相談したことを理由に解雇するなど働き手にとって不利な取り扱いをしないこと、などを企業に求めている。

 では、内定者へのパワハラはどうなるのか。

内定者は、新入社員より弱い立場

 日本では多くの企業が10月に内定式を開き、正式に内定通知を出す。この段階で、学生は複数の内定先を持っていても、入社先を1社に絞らなければならない。

 こうした慣行もあり、光永弁…

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