不安抱えつつ… 緊急事態でも都市へ向かう人の事情

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田辺拓也 中村建太
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 東京や大阪、兵庫など7都府県に緊急事態宣言が出され、一夜明けた8日。岡山桃太郎空港やJR岡山駅新幹線ホームは、これまで以上に閑散としていた。往来自粛の呼びかけの中、それでも都市部へ向かう人には、深刻な事情を抱えた人もいた。

 通常毎日10往復20便の羽田便が、8日は13便にまで減った岡山桃太郎空港。「1カ月前も人は少なかったが、さらに少ない」。午前11時半ごろ、羽田行きの便への搭乗を待つ県内在住の60代女性は言った。持病の治療で神奈川県の病院へ5週間ごとに通う。

 首都圏行きは不安だが、「私にとっては命を守るためだから」。羽田空港から病院までは息子の車で送ってもらうなど、なるべく人混みを避けるという。

 同じ便を待っていた埼玉県の会社員の男性(32)は、勤務先から在宅勤務を推奨されているなかで「現場で商品を見ないと仕事にならない」と岡山県へ出張。8日朝に向かった県内の取引先では、検温で異常がなかったことを伝えるなど不安を与えないよう細心の注意を払ったという。

 埼玉県の高校教諭の女性(26)は7日、鳥取県の祖父が亡くなり帰省するため、岡山空港を使った。だが参列者の多くは高齢で、感染リスクを心配して葬儀に出なかった。

 「コロナが心配だ。食べるものはあるか。無ければ送るぞ」。1週間前、祖父からの電話が最後となった。「コロナがなければみんなでお別れできたのに」

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 JR岡山駅の新幹線ホームで…

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