緊急事態宣言、一夜明け 理髪店に電話殺到、通勤客は…

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 新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、首都圏など7都府県を対象に緊急事態宣言が出され、8日、初めての朝を迎えた。各地のビジネス街では通勤する人たちの姿がみられた一方、商業エリアは休業が相次ぎ、閑散としていた。

 午前8時、オフィスビルが林立する東京・新橋。会社員らが足早にオフィスに向かう。人材派遣会社に勤める女性(35)は「いつもはぎゅうぎゅうの通勤電車が今朝は半分以下。この1年で初めて座れた」と驚く。埼玉県から約1時間かけて通勤している保険会社の男性(60)は「隣の人と肩が触れないくらいの混み具合。(宣言前の)昨日と大きな変化は感じなかった」と話し、会社に向かった。

 品川駅の自由通路では、マスク姿の通勤客らの波が途切れることなく続いたが、40代のシステムエンジニアの男性は「いつもよりちょっと少ない。感覚では7割ぐらいじゃないか」と話した。

 新橋駅前にある「ニュー新橋ビル」の地下街は60店ほどの飲食店が並び、いつもは夜の仕事明けに朝から酒を飲む人もいる。だが、この日は午前9時の時点で開店していた店は1軒だけ。居酒屋「さつき」の店主、関雅夫さん(76)は午前7時に店を開けたが、客はなかった。関さんは「普段ならこの時間でももう少し開いているけど、今日は閑古鳥が鳴いている。今後の営業は臨機応変にやっていくしかないな」。

 ビルの1階で50年にわたってジュース専門店を営む菊池順子さん(75)は通常通り営業したが、「お客さんも、売り上げも激減。果物の仕入れもあるので、どうしよう」と悩んだ様子だった。

 東京都は7日の宣言と同時に居酒屋や理髪店などを対象に休業要請を出すはずだったが、国との調整がつかずに公表されないまま。新橋駅近くの理髪店は店を開けたが、開店しているかどうかを問い合わせる電話が殺到した。経営者の男性(44)は「従業員を抱えているので、営業は続けたい。お客さんも困るだろう」。宣言が出て、8日から私語を慎むようにした。従業員は全員、マスクを着用しているが「それでも飛沫(ひまつ)を心配するお客さんはいる。これまではたわいない会話を楽しんでくれていた人もいたけど、今朝からは『あまりしゃべらないようにやらせてもらいます』と断ってから始めています」と話した。体温計も発注し、今後は体温の高い人は入店を断るという。

 東京・銀座の百貨店は軒並み休業となり、人影もまばらだった。松屋銀座店前には「臨時休業」の貼り紙。近くで呉服店を営む永井勝久さん(43)は出勤途中に通りかかり、貼り紙をスマートフォンで撮影していた。「自分の店も休業のお知らせを貼り出すので、書き方の参考に。今日は輪をかけて人が減った」と話した。

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