「コロナで死ぬか、経済で死ぬか」北海道・小樽のいま

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長崎潤一郎
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 新型コロナウイルスの影響が長期化し、観光業界が苦境に立たされている。政府は7日に緊急事態宣言を出し、新たな経済対策をまとめたが、事態の収束は見通せない。国内有数の観光地、北海道小樽市では「もう限界に近い」との声が上がる。

観光バス99.5%減の衝撃

 今月初旬、小樽市が集計した数値が地元関係者に衝撃を与えた。2月まで多くの人が行き交っていた小樽運河近くの観光バス駐車場の利用が、3月は6台にとどまった。前年同月(1343台)と比べると99・5%減。「観光客が消えた」と市の担当者は表現する。

 緊急事態宣言の対象は東京や大阪、福岡など7都府県で、北海道は含まれなかったが、観光需要の回復は当面見込めない。約100店舗が軒を連ねる小樽堺町通り商店街では、厳しい現状を訴える声があふれる。

 「コロナで死ぬか、経済で死ぬか」。昆布専門店「利尻屋みのや」の社長、簑谷和臣さん(50)はそう話す。3月の売り上げは前年の24%。例年、観光客が増える夏に向けて売り上げが伸びるため、このままでは4月の売り上げは前年の10%、5月は5%になる恐れがあるという。

 31人の従業員の雇用は最後まで維持する考えだが、「あと何カ月、給料を払えるだろうか」と苦しい胸の内を明かす。政府の経済対策、とりわけ即効性がある現金給付に期待を寄せるが、事態が長期化すれば焼け石に水になってしまう。「収束が最大の経済対策だ」と簑谷さんは話す。

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