校庭で始業式や分散登校、休校継続も 異例の新学期

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宮崎亮
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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、各地の学校で6日、始業式や入学式があった。感染リスクを減らそうと、校庭で入学式を開いたり、式自体を中止して書類の受け渡しに限ったりする学校も。東京都内では島嶼(とうしょ)部を除く大半の区市町村が、5月の大型連休まで休校を続ける。異例ずくめの新学期となった。

GWまで休校継続

 5月の連休までの休校を決め、入学式は延期し、新入生の顔合わせだけにした東京都渋谷区。区立神宮前小学校では6日午前10時から約30分間だけ、新入生と保護者が校庭に集まった。

 就学通知書を提出し、教科書や道具箱などを受け取った後、桜の木の下で担任や校長とあいさつした。ある新入生の母親は「入学式もしたかったけど、こういう状況では仕方ない。こういう形でも担任の先生とお会いできれば安心する」。新入生の男子児童は「サッカーもしたいし、早く学校に来たい」と話した。

 始業式も同日朝、校庭で行った。13日以降、1学級を4分割し、曜日を決めて各児童3時間目まで、自宅学習にむけた指導とタブレット端末活用法の授業を行う予定という。手代木英明校長は「20分休みは、思い切り校庭で体を動かしてもらう。課題を出すだけでは教育につながらない」としている。

 同じく連休までの休校を決めている中野区でも、小中学校の始業式と、小学校の入学式があった。同区教委は入学式について、前日の5日に急きょ、校庭で行うことを決定。8日以降に週2、3回、希望者を対象に開く予定だった補充学習教室も、20日からに延期した。

 6日には、連休まで休校を続ける都立高校でも始業式があった。各校は、学年ごとに登校時間を分けたり、7日の入学式の参加者を新入生と教員に限ったりするなどの対応をとっているが、安全性を疑問視する声も上がっている。

 23区内の都立校の30代男性教員は「生徒の9割ほどが、公共交通機関を使って通学している。また、学年ごとに分散登校をさせても、40人を1教室に入室させるリスクは高く、久しぶりに会った友人と放課後に飲食店などに入ってしまう懸念もある」と案じる。

 ここ数日、都内の感染者が急増している現状に、複数の同僚教員からも「本当に通学させて大丈夫なのか」「中止や延期をするべきだ」といった声や、教員自身も感染リスクが高まることを不安視する声が上がっているという。

24時間子供SOSダイヤル

長期の休校や休校明けの登校によるストレスを抱える子どもや保護者には、通話料無料の「24時間子供SOSダイヤル」(0120・0・78310)の利用を勧めている。電話をかけた地域の教育委員会や民間団体の相談員につながる。

通常通りの学校も

 休校を延長せず、通常通り新学期を始めた自治体もある。

 愛知県では、多くの公立小学校で6日、入学式があった。名古屋市の名城小学校には38人が入学した。新入生や保護者は、入学式で席の間隔を空けて着席。国歌斉唱はピアノ演奏のみとし、例年より15分ほど早く終了した。新入生たちは大きなランドセルを背負い、桜が舞う校門前で記念撮影する時だけは、マスクを外して笑顔を見せていた。

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 京都市内の市立中学校でも6…

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