桜の名所、放置された372本 処分寸前に現れた救世主

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溝口太郎
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 サクラの名所「展勝地」整備のため岩手県北上市が日本さくらの会(東京)から寄贈を受けたものの使いきれず、放置されていた約370本のサクラの「苗木」。もらい手が決まる見通しになった。名所の地元が自らサクラを切る事態が回避され、市は「ホッとした」と胸をなで下ろした。

 「おおむね配布先が決まった」と3日、市が発表した。昨年末、市が伐採処分の検討を公表したのを契機に、11件の申し込みが相次いだという。

 樹齢100年近いサクラ並木が北上川沿いに延長2キロも続く展勝地。苗木は、衰えてきた並木に彩りを添える「花見広場」を造ろうと、市が2007年から12年にかけて日本さくらの会から51品種600本の寄贈を受けた。

 しかし、「密植すると並木が隠れる」などという市民の異論が相次ぎ、結局70本ほどしか使えなかった。枯れたり譲渡されたりした分を除く423本が、園内の一角に仮植えで放置されていた。

 市は21年の展勝地開園100周年の前に整理しようと、広場に追加植栽する51品種各1本を除く372本について、18年10月から広報などを通じ市内限定で譲渡先の公募を始めたが、既に2~7メートルに成長して移植費が1本約10万円とかさむこともあり、応募は1件もなかった。

 やむなく昨年12月、市長定例会見で窮状を吐露、伐採の検討も公表した。これを新聞やテレビが報じたところ、申し込みが集まり始めたという。

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