育休取った夫に「男」の呪縛 会社の仕事、やめられない

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高津祐典
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 「育休中の夫に、仕事が絶え間なく来る。本人も『迷惑かけてるから』と罪悪感があり断れない。むしろ積極的に引き受ける。子が寝てる間か深夜に仕事してる。疲れて、子どもにしわ寄せがいき、夫婦喧嘩。育休とは……」

 漫画雑誌「月刊!スピリッツ」に「こころのナース夜野さん」を連載する水谷緑さんは2月、こんなツイートをした。40代の夫は会社員。育児休業中なのに、隠れてずっと仕事を引き受けていたというのだ。

 2014年にデビューした水谷さんは、「大切な人が死ぬとき」「32歳で初期乳がん、全然受け入れてません」など、医療系の漫画を描いてきた。今は5年にわたる取材をもとに、精神科ナースの物語「夜野さん」の連載を続けている。

 競争が激しい漫画の世界。水谷さんは「休んでいたら仕事がこなくなるかもしれない」という気持ちがあり、結婚前から夫には「育休をとってほしい」と伝えていた。初めは「自信がない」と言っていた夫も、妊娠がわかったタイミングで会社に相談。上司に「いいよ」と言われ、喜んで水谷さんに報告してくれた。うれしそうな夫を見て、水谷さんは「初めて結婚して良かったなと思った」という。

 ただ、この時に夫は上司と、ある「約束」を交わしてしまっていたのだ。

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