苦しむ繁華街 「若者たむろしている」テレビ見て抗議も

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伊藤恵里奈 大山稜
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 「夜の街」への出入り自粛を――。都内有数の繁華街を抱える渋谷、新宿両区長が相次いで異例の呼びかけをした。国に助成を求める動きもあるが、すでに苦境に陥っている店には諦めムードも漂う。

 3月31日、渋谷区内のスタジオで、ライブハウスや劇場の関係者らがインターネット配信で会見を開いた。「恐れているのは、ライブハウスやクラブ自体の経営が立ち行かなくなってしまうこと」。マスク姿で臨んだDJのLicaxxx(リカックス)さんが危機感を訴えた。

 政府によるイベントなどの自粛要請で、企画中止や休館に追い込まれた関係者が集まり、国に助成を求める運動を展開しており、その一環だ。

 だが、翌日の1日、長谷部健区長は、夜間のナイトクラブ、ライブハウスなどへの出入り自粛を要請するメッセージを発表した。「エンターテインメント施設が多いのは区の魅力の一つだが、いつ感染者の爆発的増加(オーバーシュート)が発生してもおかしくない。しばらくの間、自粛をお願いさせていただきたい」。

 区職員は、「テレビで渋谷のスクランブル交差点や道玄坂に若者がたむろする映像が流れるたび、全国から区役所に抗議がくる」と、苦しい立場を明かす。

 新宿区の吉住健一区長も3月31日、「深夜にわたる接客を伴う飲食店」の利用自粛を求める談話を発表した。「未然に防げる災害を予防せずに、人的被害を広げることは許されない」などとする内容だ。

 区などによると、31日までに区内で感染が確認された22人のうち、4分の1程度が夜間から早朝にかけて営業する店の関係者だ。就業していること自体を明かしたくない従業員もおり、感染経路などの調査は難航している、という。

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