日本の集中治療の崩壊「非常に早く訪れる」 学会が声明

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阿部彰芳 新宅あゆみ 永田大 江口英佑
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 新型コロナウイルスの重症者に対応できる集中治療室(ICU)のベッドが、人員不足などで1千床に満たない可能性があるとの声明を日本集中治療医学会が1日、出した。患者が増え続けた場合、集中治療体制の崩壊は「非常に早く訪れる」と指摘し、死者が急増するとしている。

 集中治療は重症者の血圧や呼吸の状態を細かくチェックしながら人工呼吸器人工透析器などを使って回復をはかる。重い肺炎では酸素供給の装置に患者の血液を通し肺を休ませる人工肺(ECMO(エクモ))が用いられる。

 だが、日本の集中治療の体制は欧米より脆弱(ぜいじゃく)だ。ICUのベッドは人口10万人あたり5床ほどで、看護師1人が患者2人をみている。先進国では患者1人に看護師1人の施設も多い。病床も日本と比べてドイツは6倍、医療崩壊が起きているイタリアでも2倍程度ある。

 声明では、新型コロナの重症者には看護師2人で対応する必要があるとし、重い肺炎の患者に人工呼吸器を使える医師も少ないと指摘。国内のICUは推定約6500床あるが、別の病気や手術後に回復を待つ患者などに使われる分を差し引いて、現状では新型コロナの重症者に対応できるのは「1千床にも満たない可能性がある」とした。

「患者が増えればマンパワー不足、あっという間に崩壊」と医学会の理事長は指摘します。政府に策はあるのでしょうか。

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 厚生労働省の計算方法による…

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