月給7万、フランスの村長はつらいよ 相次ぐ立候補ゼロ

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ボビニー=疋田多揚
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 フランスで3月に始まった6年に1度の統一地方選で、首長の候補者がいない自治体が106に及んだ。大半が人口1千人未満の小さな村で、決選投票まで誰も手を挙げなければ、消滅の危機を迎える。(ボビニー=疋田多揚)

もめ事の処理に追われ疲弊

 ワインで有名な仏東部ブルゴーニュ地方。ブドウ畑の丘を越えた山あいにたたずむ農村がボビニーだ。人口200人ほどの村の村長を2006年から務めるパトリック・マニエールさん(74)は、統一地方選に立候補するのをやめた。

 行政事務に加え、村の顔役として担ってきた、もめ事の処理に追われてきたからだ。「隣家の犬の鳴き声の苦情、禁じられたたき火への注意、夫婦げんかの仲裁。何でもやった」。警察署、郵便局がなく、医者もいない村民にとって、最も身近な公人が村長だ。

 村の予算は人件費などを差し…

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