感染拡大したアフリカ 南アの外出制限「まるで刑務所」

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ヨハネスブルク=石原孝
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 新型コロナウイルスの感染者がアフリカ各国で急増している。初の感染者が確認されてから1カ月余りで感染者は計約4200人に増加。54カ国のうち46カ国に感染が広がり、死者は130人を超えた。

 28日にアフリカ最多の1187人の感染者が確認された南アフリカは、26日深夜から3週間にわたって国境を封鎖し、外出制限が始まった。食料品店や銀行などを除いて店は閉まり、日本企業の事務所が多いヨハネスブルクのサントン地区もひっそりとしていた。パンや飲料水を売っていた男性店主は「お客は全然いない」と嘆いた。

 そこから約4キロ離れた旧黒人居住区アレクサンドラでは、治安維持のためにマスク姿の軍兵士が配置され、住民たちに建物の中に入るよう促した。地元当局は27日夜、各地で外出制限令を破ったとして一晩で55人を逮捕したと発表した。

 南アフリカで新型コロナウイルスの感染が初めて確認されたのは今月5日。イタリア旅行から帰国した38歳の男性だった。その後も欧州から入国した人たちを中心に感染者が増え、国内感染も判明。27日には女性1人が死亡したことが明らかになった。

 南アフリカの失業率は約30%に上り、経済的に貧しい地域では、自宅に水道設備がない家も少なくない。露天商や日雇いの仕事で生計を立てている人も多いが、外出制限によってビジネスも停止に追い込まれた。プレトリアの旧黒人居住区に住むムバリ・ンコシさん(27)は「多くの人が収入源を失い、外にも自由に出られなくなった。酒の購入も禁止になり、『刑務所に入れられているようだ』と不満をため込む人が多い」とこぼした。

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