糖尿病の妻と2年ぶりの外食 回転ずしが変えた夫婦仲

有料記事それぞれの最終楽章

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それぞれの最終楽章・食でつながる(3)

在宅栄養専門管理栄養士・安田和代さん

 今回紹介するのは、昨年11月にお看取(みと)りした立川照(てる)さん(享年85)のケースです。肝硬変糖尿病があり、夫の孔万(よしかず)さん(84)がずっと介護されていました。私は、夫婦関係の再構築を意識して関わりました。

 2013年5月、肝硬変で入院していた病院を退院する時から関わりました。お子さんはいませんでした。最初血糖値が600ぐらいあって、コントロールが必要な状態でした。

 孔万さんに聞くと、糖尿病対応の宅配弁当は予算的に難しく、自分での調理は経験がないので無理、とのこと。そこで私は、彼が買いそうなスーパーの総菜リストを写真付きで作りました。孔万さんには、食べた物に印をつけてもらい、こちらで摂取量を把握するようにしました。

 5カ月ほどたち、徐々に血糖値も安定してきました。でも、時々血糖値がピーンと高くなることがあるのです。よくよく話を聞いてみると、照さんの喫煙が原因で夫婦げんかになり、孔万さんが照さんの食事や薬のお世話をしない、いわゆる「介護放棄」をされることがありました。「俺がこれだけ介護しているのに、好き勝手なことして」と怒っていました。タバコのことを注意された照さんは「お父さんだって、昔吸っていたでしょ」と言って、夫婦げんかになってしまいました。

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 そこで私は、在宅医らと相談…

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