原発依存じわり上昇 「封印された議論」解かれるか?

有料記事

桜井林太郎 伊藤弘毅
[PR]

 東日本大震災東京電力福島第一原発事故から9年がたった。世界最悪クラスの原発事故が起きながら、政府は原発を安定的に発電できる「ベースロード電源」と位置づけて再稼働を推し進めてきた。原発依存度がじわりと上がってきている中、世論の根強い反対もあって封印されてきたある議論が、新年度から本格化する可能性も出てきている。

 「エネルギーミックスの進捗(しんちょく)は着実に進展しているものの道半ば。まずはそれの確実な実現を目指していく」

 「3・11」から9年を翌日に控えた10日の閣議後会見で、梶山弘志・経済産業相はこう述べた。

 エネルギーミックスとは、経産省が2015年に公表した「長期エネルギー需給見通し」のことだ。30年度に総電力量に占める原発の比率を20~22%、再生可能エネルギーの比率を22~24%にするなどと定めた。18年に閣議決定されたエネルギー基本計画で、正式に政府目標となった。

 原発比率は10年度には25…

この記事は有料記事です。残り1674文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら