静岡)子どもの困難描く 元文科官僚の寺脇さんら映画

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阿久沢悦子
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 家庭にも学校にも居場所のない子どもたちの苦悩を描いた映画「子どもたちをよろしく」が28日から、静岡市葵区御幸町の静岡シネ・ギャラリーで公開される。企画したのは、元文部科学省の官僚、寺脇研さん(67)と前川喜平さん(65)。2人が知る教育現場や子どもの貧困の実情が映し出されている。

 主人公は再婚同士の家庭で暮らす中学生の稔。義姉の優樹菜は、父の経営する派遣型風俗店で働く。父は家では暴力をふるい、義母は酒におぼれる。稔は級友と、幼なじみの洋一をいじめるのが日課だ。洋一はギャンブル依存症の父と2人暮らし。給食費も修学旅行代も払えず、風呂にも入れない。稔は自分の家庭の秘密がばれたらいじめられるとおびえ、洋一へのいじめをエスカレートさせる。

 統括プロデューサーも務める寺脇さんは、官僚時代にかかわったいじめ事件を骨格に、隅田靖監督と話し合って脚本を練った。「子どもが抱える困難は学校だけ、家庭だけではもはや解決できない。地域や社会全体で考える必要がある」と寺脇さん。いじめや虐待の場面が続くため、10代の俳優と話し合いを重ね、気持ちのフォローを心がけたという。

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 寺脇さんは、登場人物を悪人…

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