物干しロープにつるした被害告白 性暴力可視化、各地に
江向彩也夏
昨年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の出展作品の一つが、いまも各地に現れている。洗濯物干しのロープにたくさんのカードがつるされた作品だが、そこには切実な訴えが込められている。
横に長く張られた麻糸に、たくさんのピンク色のカードが風に揺れる。3月8日、名古屋市中区の久屋大通公園に作品が展示されていた。
カードに記されていたのは――。「下校のとき、知らないおじさんにからだをさわられた」「子どもの作り方を教えてやろうかと言われ何も言い返せなかった」
メキシコ人作家のモニカ・メイヤーさん(66)がトリエンナーレに出展した作品「The Clothesline」は、性被害の経験やセクハラを防ぐための意見を来場者が書き、洗濯物干しロープにつるす活動のことだ。メイヤーさん以外の人が「作品」として同じ活動をすることもできる。この日、公園に現れた作品は、性暴力に反対するフラワーデモにこれまで参加した人が、自らの経験を記したものだった。
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作品は、トリエンナーレでの…