「復興五輪は必ず開いて」 被災地、延期には理解の声
大久保泰
開幕まで4カ月となった東京五輪。新型コロナウイルスの感染拡大で国際オリンピック委員会(IOC)が延期の検討を始めたことを受けて、安倍晋三首相は23日午前、国会で延期を容認する考えを示した。東日本大震災の被災地で、聖火の展示が始まった岩手県では、「復興五輪」の開催を願いつつ、延期に理解を示す声も出た。
9年前の津波で大きな被害を受けた大船渡市。市中心部に新設された施設の前の広場で23日、「復興の火」として聖火の展示が始まった。一目見ようとマスク姿の人たちが長い列を作り、聖火皿に火がともされると歓声が上がった。
「復興五輪は必ず開いてほしい」。市内で建築設計事務所を営む鈴木昭司さん(57)は延期論に理解を示しつつ、そう強調した。設計に携わった建物は津波で流されたが、建築士として街の復興を後押しした自負がある。「五輪は復興した姿と世界からの支援に感謝を伝える場。延期してもその趣旨は変わらない」と話す。
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