沖縄上空に中国機、脅威のミサイル能力 軍拡競争の足音

有料記事日米安保の現在地

編集委員・土居貴輝 同・佐藤武嗣 峯村健司 佐藤武嗣 土居貴輝
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 エメラルドの海が広がる沖縄・宮古島。昨年3月、普通科(歩兵)部隊を主軸とする、陸上自衛隊宮古島駐屯地が新設された。

 今年に入り、ミサイル部隊の増強を開始。駐屯地内には今、2月下旬以降に搬入された、海上防衛を担う地対艦ミサイル(SSM)や中距離地対空ミサイル(中SAM)の発射機など30台以上の車両が並ぶ。

 冷戦時代の陸自は「北方重視」で、戦車部隊を主軸に旧ソ連からの侵攻に備えていた。だが、現在は海上防衛をも担う「南西重視」に転換。2016年に日本最西端の与那国島に沿岸監視部隊を設け、昨年3月、宮古島と奄美大島に駐屯地を新設。今後は石垣島にも同様の部隊を置く予定だ。

 理由は中国の軍事活動の活発化だ。08年以降、沖縄本島と宮古島の間の「宮古海峡」で中国軍艦の航行が常態化。上空では戦闘機や電子戦機、米領グアムも射程とする巡航ミサイルを搭載できるH6K爆撃機の飛行も確認されるようになった。

 宮古島配備のSSMは最新の「12式」。射程約200キロとされ、延伸も検討。防衛省幹部は「将来沖縄本島にも配備、中国艦艇を両側から牽制(けんせい)する」と話す。

 脅威は、中国の海洋進出だけではない。日米両政府が最も警戒するのが、中国のミサイル攻撃能力だ。

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