奈良)大安寺の資材帳を読む 菅谷橿考研元所長の解説本
岡田匠
奈良県立橿原考古学研究所(橿原市)の元所長で、昨年6月に亡くなった菅谷文則さんが、大安寺(奈良市)の資財帳を解説した本が出版された。菅谷さんが2013年から大安寺で講義した内容をまとめた。官寺として大伽藍(がらん)を誇った大安寺の由緒や仏像、財産などを紹介している。
本は「大安寺伽藍縁起并流記(ならびにるき)資財帳を読む」(東方出版)。資財帳は寺の由緒や財産をまとめたもので、奈良時代や平安時代には国家に納められた公式文書だ。大安寺の資財帳は747年にでき、国重要文化財に指定されている。千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館が所蔵する。法隆寺や元興寺などの資財帳が新しい写本であったり一部しか残っていなかったりする一方、大安寺の資財帳は完全な形で伝わっているという。
大安寺では、寺の歴史などを学ぶ講座を13年7月から始めた。最初の講師に菅谷さんを招き、14年4月まで6回解説した。録音しておいた講義の内容をもとに、奈良市埋蔵文化財調査センターの森下恵介・元所長の協力を得て編集した。
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本は7部からなる。聖徳太子…
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