兵庫との往来自粛、大阪知事の独自判断 橋下氏も苦言

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高橋大作 吉川喬
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 3連休直前に、大阪府吉村洋文知事が急きょ打ち出した連休期間中の兵庫県・大阪府間の往来自粛要請。急激な感染拡大の可能性を示す政府の資料に危機感を抱いたためだったが、根拠とする資料は当初公表しなかった。兵庫県との事前調整もなく、法の枠外で住民に大きな制約を課すことになりかねない判断だった。(高橋大作、吉川喬)

 吉村氏は19日夜、「爆発的な感染がいつ起きてもおかしくない」との危機感を示し、不要不急の往来自粛を要請した。「専門家の提案を受けた」とも述べたが、判断の根拠としたとする国の資料は公表せず、口頭で「最悪の場合4月3日までに(両府県の)感染者数が3374人になる」などと説明しただけだった。

 府健康医療総務課は「厚生労働省に確認したところ、資料は非公表の扱いとの返答があった」と説明。阪神間の経済活動を弱めかねない重大な判断の根拠だが、中身は示されないまま連休は始まった。

 生活圏が一体の京阪神の住民からは戸惑いの声が上がり、客足の回復を期待していた観光地からは嘆きが漏れた。「2009年の新型インフルエンザの時も客足が落ちこんだが、これほどひどくなかった。収束の兆しが見えない」

 厚労省や府によると、資料は国の新型コロナウイルス対策本部に所属する厚労省職員と専門家が18日に府を訪れた際に持参。吉村氏が言う「提案」ではなく「意見交換のため未定稿」として示されたという。吉村氏は19日に確認した。

 20日になって、府が改めて厚労省に依頼して資料は公表された。タイトルは「大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」。厚労省のクラスター班の北海道大教授らが作成した。感染者が27日までに両府県で586人、4月3日までに3374人に急増するという試算を提示した。

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 「必要な対策の方向性(案)…

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