「死ぬ人はみな死んだ」緊迫のイタリア、奮闘する日本人

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ローマ=河原田慎一
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 新型コロナウイルスの感染拡大が続くイタリアで、フィレンツェに住む日本人が、入院中の重症者を別の病院に搬送するボランティアとして活動している。感染者が最も多い同国北部では人工呼吸器医療従事者が不足しているが、医師らが一人でも多くの命を救おうと「静かな闘い」を続けているという。

 フィレンツェで医療通訳者の仕事をしている奥村千穂さん(48)は、半年間の講習を受けて試験に合格し、昨年5月からボランティアの搬送スタッフとして救急車に乗っている。ボランティア活動が盛んなイタリアでは、災害救助など様々な分野で専門技能を身につけたボランティアが、無償で働いている。

 奥村さんが、登録しているNPOから出動の連絡を受けたのは、今月15日。北部クレモナで入院している重症者を、別の州の病院に運ぶ任務だった。医師と看護師、ドライバーの計11人が3台の救急車に分乗して、クレモナに向かった。

 「この辺りでは、死ぬ人はもうみんな死んでしまった。今は逆に、外部からウイルスが持ち込まれるのが怖い」。現地の警察官の言葉に、スタッフの緊張感が高まった。クレモナは人口約7万2千人のうち約2千人が感染。感染が集中しているロンバルディア州の中でも、特に多い地域だ。

 救急病院では、集中治療室が…

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