アフリカで感染が急拡大 36カ国900人、医療は脆弱

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ヨハネスブルク=石原孝
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 アフリカ諸国で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、入国禁止や非常事態宣言に踏み切る国が相次いでいる。中国や欧米に比べると感染者数は少ないものの、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な国や地域が多いことから、世界保健機関(WHO)が支援に乗り出している。

 WHOアフリカ地域事務所のモエティ所長は19日、「アフリカ全体で感染国が急速に増えているのを深く懸念している。封じ込めや地域住民への感染防止のために支援していく」と記者会見で訴えた。

 アフリカの54カ国のうち感染者が確認された国は、20日までに36カ国に達し、1週間前に比べて20カ国以上増えた。感染者数は全体で約900人に上っており、欧米諸国などから入国した人の感染が多くを占めていることが特徴だ。

 アフリカ東部エチオピア出身のテドロス・アダノムWHO事務局長は18日、「おそらく、発見されていないケースや未報告のケースがあるだろう」との予測を示し、さらなる感染拡大に備えるよう求めた。

 WHOが危機感を強める背景には、脆弱(ぜいじゃく)な医療体制がある。新型コロナウイルスの検査ができる機関は当初、南アフリカとセネガルの2カ国にしかなく、感染拡大を受けて急きょ約40カ国まで増やされた。

 アフリカでは都市部のスラムなど人口密集地区が多いほか、手を洗うための水道やせっけんが自宅にない住民も多い。検査に来た医者と偽って、住居に侵入しようとする事例もある。

 アフリカの各国政府は、感染…

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