三島由紀夫vs全共闘 激論交わした右派と左派の共通点

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小峰健二
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 学生運動が華やかなりし半世紀前、作家・三島由紀夫が東大全学共闘会議(全共闘)の学生らを相手に繰り広げた討論会があった。その「対決」の映像をもとに製作されたドキュメンタリー映画が20日に公開される。思想的に交わらない右と左が、言葉によって堂々と渡り合う映像は、「分断」が進んでいるともとれる今の世に何を問うのか。

つるし上げのつもりが、文豪に魅了され…

 学生らが立てこもった安田講堂事件から約4カ月後の1969年5月13日、東大駒場キャンパス(東京都目黒区)の900番教室。そこが映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」の舞台だ。

 反体制派の学生ら千人以上が集う大教室にやってきた三島が、落ち着いた表情で語り出す。「言葉というものが、ここで何ものかの有効性があるかもしれない」と。そして、自身も非合法の暴力を否定しない点で学生らと同じだと発言し、全共闘が近代から続く知性主義に刃向かっていることを高く評価する。

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