新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国のオーケストラが揺れている。相次ぐ公演の中止や延期で、数千万円の損失を見込む楽団が続出。オケ公演の中止・延期による損害は8~10億円に上り、「存続の危機」「3カ月で破綻(はたん)」といった悲痛な声があがっている。税制優遇と引き換えに、大きく儲(もう)けることが許されない。そんな公益法人制度のあり方も、今回のような非常事態にもちこたえるための体力をオーケストラ業界から奪っているようだ。

 2月26日、文化庁からオーケストラなどの文化団体に2週間の自粛要請が出された。国の責任による「命令」ではなく、あくまで「要請」。最終的な判断は個々の楽団に委ねられた。

 大阪交響楽団は3月4日、昼夜公演を敢行。二宮光由楽団長は前日、「経済的な事情が大きい。1回の中止による数百万の損失は命取り。考えうる限りの感染防止策を施す」と取材に答えた。九州交響楽団は収益700万円を見込んでいた16年ぶりの東京公演(14日)を断念した。

 日本クラシック音楽事業協会は…

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