大阪・西成にバンクシー? 子どもを描く絵の作者追った

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富岡万葉
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 ピースサインで笑顔を見せる少女、しゃがんでポーズをとる少年――。労働者の街として知られる大阪市西成区のあいりん地区(釜ケ崎)周辺に、こんなグラフィティ(落書き)が突然現れた。壁やドラム缶に塗料で描かれている。まさかバンクシー!?

 立ち飲み屋やカラオケ居酒屋が並ぶ「飛田本通商店街」(通称・動物園前一番街)の一帯を歩くと、路地の壁面やドラム缶などに描かれた子どもたちの絵が目に入る。15分ほど歩き回ると、同じタッチのグラフィティ9作品が見つかった。どれもアジア人のような顔立ちで、こちらを見据えたり、ぼんやりと座ったり。不思議なほど街に溶け込んでいる。

作者は外国人?店員が証言

 型紙の上にスプレー塗料をかける「ステンシル」で、英国の覆面芸術家バンクシーが用いる技法だ。

 専門家はどう見るか。フランスで絵画を学び、日本の芸術大学で非常勤講師を務めた同区在住の画家平谷栄之助さん(73)は2月上旬、空き地の壁に描かれた少女を見つけた。気づくと2、3日に1作品は見かけるように。「描く壁や扉と絵の大きさのバランスが良く、サビの生かし方がうまい。人物が立体的に浮かび上がり、ドキッとする」

 いつ誰が描いたのか。周辺で探ると、制作者に会ったという人がいた。近くの「立ち飲み 銀仁(ぎんじ)」の女性店員は「30代くらいの外国人男性が『描いてもいいですか』と聞いてきました」。その男性は昨年末、日本人数人と来店し、店の外壁に少年と少女を描いた。約2時間で1人で完成させたという。店員は「いくつも描くくらい西成が気に入ったんかな。お客さんも『こんなんあった?』って言うくらいなじんでますね」。

■作品に「TONA」のサイン…

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