中国政府「感染ピーク過ぎた」 何が奏功? 副作用は?

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北京=平井良和 北京=高田正幸 福田直之
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 新型コロナウイルスの感染拡大について、世界保健機関(WHO)はパンデミックと認定し各国に対策を強めるよう求めた。武漢封鎖など強力な措置を講じた中国は統計上、新たな感染を抑え込みつつあり、政府は「感染のピークは過ぎた」と言明した。何が功を奏したのか。対策はどんな副作用をもたらしたのか。

 中国の国家衛生健康委員会は12日の記者会見で「感染のピークは過ぎた」との認識を示した。

 中国本土では2月上旬、連日3千人を超えるペースで新規の感染者が増えたが、今月12日の発表で新たな感染者は武漢市で8人、山東省で1人にとどまるなど、減少傾向が顕著だ。

 累計の感染者数は8万793人で世界でも突出しているが、うち湖北省内が8割を占める。中国政府は、武漢市や湖北省の「封鎖」をはじめとする強い措置で全国的な感染の拡大を抑えている。

 政府の専門家チームのトップを務める鍾南山氏らは2月、封鎖前後の人口の移動規模や感染拡大の速度などから算出した終息期までの予測モデルを発表。封鎖が5日遅かったと想定したモデルでは「中国全土の感染者は3倍になっていた」として、移動制限は効果があったと分析。一方、春節を控え、数百万の市民が封鎖前に武漢を離れたことなどから、「5日早ければ感染者は3分の1になっていた」とも指摘した。

 1月23日に武漢を封鎖して以降、中国政府は移動規制の範囲を次々と広げ、湖北省のほぼ全域をほかの地域から孤立させるという前代未聞の策に出た。

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 政府は封鎖した地域内の移動…

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