寒干し大根のにおい届けた 末期がん男性、食の思い出

有料記事それぞれの最終楽章

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それぞれの最終楽章・食でつながる(1)

在宅栄養専門管理栄養士・安田和代さん

 私は岐阜県岐南町にある在宅医療クリニックで訪問管理栄養士をしています。他のスタッフと連携しながら、「食」という観点から患者さんの満足度を高めるため活動しています。今回のシリーズでは、患者さんを中心に「食」で様々な人たちがつながる物語をご紹介していきます。

 1回目は、パーキンソン病の影響でのみ込みが難しくなった男性Tさん(享年84)のケースです。外食先で誤嚥・窒息して救急搬送され入院。人工呼吸器をつけ、回復後に胃ろうを造りました。私は退院後の2013年9月から訪問栄養指導で関わるようになりました。

 Tさんは入院中は絶食でした。訪問した際、言語障害がありましたが、「口から食べられるようになりたいというのが一番の望みです」とはっきり意思を示しました。奥さんも「食べることが大好きな人なので、少しでも口にできたら本人のストレスが減ると思います」と話しました。

 訪問するたびに、口周りの筋…

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