「見えない敵に負けた」センバツ中止、泣き崩れる選手も

米田悠一郎
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 第92回選抜高校野球大会の中止が11日に決まり、出場が決まっていた創成館長崎県諫早市)も春の甲子園に立つ機会を失った。同日夕方、決定を告げられた選手たちは練習を切り上げ、落胆した様子でグラウンドを後にした。

【動画】第92回選抜高校野球大会中止の決断について話す毎日新聞社の丸山昌宏社長と日本高野連の八田英二会長=細川卓撮影

 練習途中の午後6時、稙田(わさだ)龍生監督(56)が選手らを集めて切り出した。「残念ながら中止や」。選手らは目に涙をためながら監督を見据え、じっと聴き入る。監督は「見えない敵に負けた。気持ちを切り替えるのは難しいが、早く切り替えて、まずは春の九州大会、そして最後の夏の甲子園に行くしかない」と呼びかけた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今月3日から授業は自宅などでの自主学習となったが、甲子園を控えた野球部は特別に活動を許可されていた。だが、開幕までに予定されていた練習試合計6試合が中止に。選手らは最後まで開催を信じ、練習を重ねる一方で、手洗いうがい、寮でのアルコール消毒など、予防に努めていた。

 「実戦練習を積み、後は選抜に挑むのみだった」。上原祐士主将(2年)は涙をこらえながら報道陣の取材に語った。(米田悠一郎)

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