親が獲得したストレス耐性、子に遺伝 理化学研が発表へ

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瀬川茂子
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 親が獲得したストレスに耐える力は子孫にも伝わる――。理化学研究所の研究チームが、その仕組みの一端を線虫を使った実験で明らかにした。親の遺伝子の働き方を変えて、ストレス耐性を高めて平均寿命を延ばすと、子どもの平均寿命も延びた。11日、米科学誌セルリポーツに発表する。

 最近、さまざまな生物で、環境のストレスによって獲得した性質が子孫に伝わるという報告がある。獲得した性質は遺伝しないという概念を覆してきている。

 研究チームはその仕組みとして、「エピジェネティック情報」に注目した。細胞の核の中で、DNAが巻き付いているたんぱく質に、「目印」となる化学物質を付けたり取ったりすることで、複数の遺伝子の働き方を変化させる。この目印の情報をエピジェネティック情報と呼ぶ。エピジェネティック情報を変化させると、DNA配列を変化させずに、遺伝子の働きを変えられる。

 研究チームは、線虫の腸で特定のエピジェネティック情報を変化させて、複数の遺伝子の働きを変え、ストレス耐性がどうなるかを調べた。

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 その結果、特定のエピジェネ…

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