コロナ拡大、怯える世界市場 東証一時1万8000円台

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笠井哲也 ニューヨーク=江渕崇
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 新型コロナウイルスの感染拡大による経済の先行き不透明感が、世界の金融市場を揺るがし続けている。9日の米ニューヨーク株式市場ではダウ工業株平均が史上最大の2013ドル安の急落となり、10日の東京株式市場では日経平均株価が一時節目の1万9000円を割り込んだ。トランプ米大統領が急きょ減税検討を表明するなど、各国は経済への打撃を抑えようと必死だが、動揺は収まっていない。

 10日の東京株式市場は荒い値動きとなった。前日9日の米ダウ平均の急落を受け、取引開始直後から売りが先行し、まもなく節目の1万9000円を割り込んだ。午前9時40分過ぎには一時806円安の1万8891円まで下落。取引時間中の1万9000円割れは、2018年12月以来1年3カ月ぶりだ。

 一方、東京市場の開始前に伝えられたトランプ大統領による「減税策検討」の発言を好感した買いも入り、下げ幅は一時縮小。30円安まで持ち直したが、その後再び下げ幅が拡大するなど、乱高下している。午後1時時点は、前日終値より53円76銭安い1万9645円00銭。午後の取引では一時小幅な上昇に転じる場面もあった。

 アジア市場でも株を買い戻す動きが出て、中国・上海や韓国では株価指数が小幅ながら上昇に転じる場面も見られている。

 ただ、新型ウイルスの感染拡大に市場がおびえる状況は続いており、「米国の減税協議は市場が待望していた政策対応の一つで、買い戻しも入った。ただ、株価が上下に激しく振れやすい状態は続いており、短期的に予測が立たない」(野村証券の元村正樹氏)との声が出ている。「当面は1万8500円前後が節目」(大手証券)との見方もある。

 東京外国為替市場では、米国の減税策への期待から投資家のリスク警戒感が和らぎ、安全資産の円を買う動きはやや一服し、円相場は午後1時時点では、前日午後5時時点より1円47銭円安ドル高の1ドル=103円69~70銭。

ダウ史上最大の急落 「サーキットブレーカー」発動

 東京市場に先立つ9日のニューヨーク市場では、主要企業でつくるダウ平均が歴史的な急落となった。終値は前週末比2013・76ドル(7・79%)安い2万3851・02ドル。1日での下げ幅は、これまで最大だった今年2月27日(1190ドル)を抜いて史上最大。下落率でもリーマン・ショック後の08年10月以来の大きさとなった。2月12日につけた最高値(2万9551ドル)からは5700ドル、19%の下落。弱気相場(直近の最高値から20%下落)入りが目前となっている。

 前日夕に始まった原油価格暴落と世界の市場での大幅な株安を受け、午前9時半の取引開始直後から売り注文が殺到し、ダウ平均の下げ幅は1800ドル超に。

 ニューヨーク市場の代表的株価指数「S&P500」が7%下落する基準にわずか数分で達したことから、売買を一時的に中断する「サーキットブレーカー」が自動的に発動された。

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 今の発動基準になった13年…

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