サウジ突然の変心、原油急落 米ロなどへの抗議含みか

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ドバイ=高野裕介 ロンドン=和気真也
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 原油価格が歴史的な下落に見舞われている。新型コロナウイルスの感染拡大で需要が落ち込む中、世界最大の輸出国サウジアラビアが増産に転じる姿勢を見せ、原油がだぶつくとの懸念が一気に広がった。需給の引き締め役だったサウジはなぜ、手のひらを返すように姿勢を変えたのか。(ドバイ=高野裕介、ロンドン=和気真也)

 原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は9日に一時、前営業日比で約3割急落した。

 異変が起きたのは8日だ。サウジが4月に原油の増産に転じると、欧米メディアが報道。日量40万バレルの自主的な減産を解き、生産量を日量970万バレルから1千万バレルを超える水準まで引き上げる見方が伝えられた。

 新型コロナの感染拡大により、世界の石油市況は悪化している。国際エネルギー機関(IEA)は2月、中国の工場停止などが響き、1~3月の原油需要は前年同期より日量43万5千バレル減ると予測していた。

 サウジは、盟主を自任する石油輸出国機構(OPEC)を通じ、協力産油国にさらなる協調減産を提案。しかし、今月6日の会議でロシアの抵抗にあい、協議は決裂した。

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 サウジの方針転換はこの直後…

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