ルフィが手を焼く女海賊の大好物 スウェーデンで食べた

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スウェーデン南部カルマル=和気真也
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 海賊の冒険を描いた漫画「ワンピース」の愛読者である。主人公ルフィは、多くの仲間に支えられながら、1997年に週刊少年ジャンプで連載が始まって以来、今に至るまで「海賊王」を目指して航海のまっただ中。連載開始時はルフィと同じ17歳の高校生だった私は現在40歳。すっかりおっさんになったが、人情味ある活劇から目が離せず、最近は小学生の息子たちと一緒に単行本を楽しんでいる。

実在した強敵の好物

 さて、ルフィの強敵の一人に、「ビッグ・マム」というキャラクターがいる。少女時代のある体験から凶悪な海賊への道を歩むのだが、そのきっかけをつくったのが「セムラ」というお菓子だった。作中ではシュークリームに似た形状で描かれ、格別の甘みを持つとされる。実はスウェーデンに実在する。単行本の読者コーナーによれば、作者の尾田栄一郎さんも食べたことがないという。

 へぇ、尾田っちも食べたことがないのか。 いったい、どんな味なのか? 想像は膨らみ、2月中旬、スウェーデンを訪れた機会にパン屋を取材した。

はみだすクリーム

 訪れたのはスウェーデン南部の街「カルマル」。1397年に、デンマークノルウェーを加えた北欧3国で「カルマル同盟」を締結した地だ。この街で取材した高校の向かいにある店「ダンスカ・ヴィンネルバーゲリエット」に足を運んだ。

 あった!

 店に入ってすぐのショーケースの真ん中に、セムラは整然と並んでいた。

 取材許可をもらい、コーヒーとともに購入。イートインコーナーに座った。

 見た目はワンピースで描かれているのとそっくり。たっぷりのクリームがはみ出した姿は、いかにも甘そうで、うまそうだ。ちなみに私は甘党だ。

 でかい。サイズ感は、ビッグマックと同じぐらいか。かぶりつけば、間違いなくクリームが飛び出すだろう。断面の写真も撮りたいので、ここは上品にナイフで切り出して、まず一口パクついた。

 うまーーーーーーーーいぃぃぃ……

 かぁ?

 これ……。

 最初の正直な感想だ。ビッグ…

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