30人すし詰め、最悪の刑務所 地獄見た記者たちの執念

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プノンペン=宋光祐
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 35年にわたって首相の座にある権力者のもと、報道の自由を求めて奮闘する記者たちがカンボジアにいる。自らを危険にさらしてまで活動するのはなぜか。(プノンペン=宋光祐)

 カンボジアの大手メディアやラジオ放送局の元記者ら15人が昨年12月、カンボジア・ジャーナリスト連盟(CJA)をプノンペンに設立した。最大の目的は報道の自由を広げ、調査報道に取り組む記者が脅迫や迫害を受けた場合に支援することだ。

 代表のノップ・ビさん(42)は「自由は行動しなければ手に入らない。連帯を示すことで、ジャーナリストが恐れずに活動できるようにしたい」と話す。

廃刊、徴税、放送禁止

 フン・セン政権は総選挙を1年後に控えた2017年夏、野党の躍進に危機感を抱き、政権に批判的なメディアを一斉に取り締まった。16年にフン・セン氏がフェイスブックの「いいね!」を外国業者などから購入した疑惑を伝えた独立系英字紙「カンボジア・デイリー」は6億円超の納税を1カ月の期限で突然求められて廃刊。現地のNGOによると、32のラジオ局が放送許可の取り消しや政府に厳しい論調のニュース番組の放送禁止処分を受けた。

 米政府系ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)とラジオ・フリー・アジア(RFA)もプノンペン事務所の閉鎖を余儀なくされた。

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 国際NGO「国境なき記者団

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