看護師の特定行為、現実と乖離 給与上がらず研修も自腹

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山中由睦
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 地域医療を支える「切り札」として期待されている看護師の特定行為だが、手掛けることのできる看護師はそう多くない。理想と現実が乖離(かいり)しているのは、なぜか。

 大阪府吹田市マンション。市内の「協和訪問看護ステーション」の看護師である畑中恵子さん(50)が、ベッドに寝たきりの男性(85)に歩み寄った。

 畑中さんは男性の胃に取り付けられている管を抜き新しい管に交換。お茶を使い、きちんと胃に飲食物が入り込むかも確かめた。手際よく約10分で終えた。

 男性は14年前にくも膜下出血で倒れ、体が不自由になった。4年前からは口から飲食できなくなり、胃ろうで栄養をとる。汚れた管を医師に交換してもらうため、タクシーで15分ほどの病院に長らく通っていた。

 畑中さんは月1、2回男性宅を訪れ、男性の痰(たん)の吸引や排便処理、服薬指導などをしてきた。昨年5月からは、管も交換するようになった。男性の妻(81)は「負担がかなり減った。普段からみてくれる看護師さんに交換してもらえる方が安心できる」と話した。

しかし特定行為は定着していません。その背景を探りました。

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 医師ではない畑中さんが管を…

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