不規則かつ長時間の勤務に全国転勤。そこに、子育てが加わったら――。信州にいま、最前線で取材をしながら小さな子どもを育てるママ記者がいる。「仕事と育児の両立」から「ここが変だよ、メディアの働き方」まで。ライバル紙の垣根を越え、朝日新聞長野総局の岡林佐和記者、毎日新聞長野支局の坂根真理記者の2人が本音で語り合った。
岡林 夫も朝日新聞の記者で、3年前に一緒に長野に赴任しました。育児中の夫婦がセットで地方転勤する試みを会社が始めました。子ども2人は夕方からシッターさんに週2回みてもらって、残りは夫と分担しています。でも子育て・家事と仕事の両立は、全然できてない。家の掃除機の調子が悪いとか、夫に言われるまで知らなかったし。
坂根 私も夫は新聞記者で、近くで働きたいとそれぞれ会社に相談して、私は子どもと一緒に長野、夫は前橋に。平日の育児や家事は私1人……。毎日発行される新聞の仕事は夕方からが忙しく、子どものお迎えや夕飯づくりと同時並行で動いています。頭の中で車輪がカラカラと回っているようで、ハムスターの気分。でも、若手のころはもっときつかった。
岡林 女性記者が出産すると、報道の第一線にいられない時代もあったよね。
――昨年10月、長野を台風19号が襲った。報道の現場も「非常事態」。どう対応したのでしょう。
坂根 子どもの学校が被災し…
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