経済団体トップ3人が女性 「阿波女」たちの力と葛藤

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高橋末菜
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 153カ国中、121位――。昨年発表された世界経済フォーラムによる男女格差の大きさの国別ランキングで、日本は先進国で最下位になった。企業で女性の登用が進まないことが順位を下げる大きな要因になっている。そんな日本にも、主要な経済団体のトップに続々と女性が就任している県があるという。「男女格差大国」の汚名を返上するためのヒントを得たくて、その地に足を運んだ。

 「みなさん、壇上をご覧ください」

 今年1月。徳島県内の経済5団体の新年祝賀会で、徳島県経営者協会の会長・林香与子さん(73)が呼びかけた。

 「経済5団体で、なんと(トップ)6人中3人が女性という、全国でも初めてのことでございます」

 会場から大きな拍手がわき起こった。

経営者協会の女性トップは全国初

 5団体とは、県経営者協会のほか、県商工会連合会、徳島経済同友会、県商工会議所連合会、県中小企業団体中央会。大企業から中小・零細企業まで、徳島県内の企業の多くがいずれかの団体に入っている。同友会の代表幹事は2人いるため、トップは計6人。その半数を女性が担うようになった。

 経営者協会は、経団連を構成する地方組織。女性の会長は全国で初めてという。

 2019年11月に徳島商工会議所の会頭に就いたのは、寺内製作所(徳島市)会長の寺内カツコさん(81)。こちらも都道府県庁の所在地の商工会議所では初の女性会頭だ。

 同友会の代表幹事2人のうち1人は、18年5月からタウン誌出版「あわわ」(徳島市)会長の坂田千代子さん(60)が務める。全国各地の同友会でも女性の代表幹事は珍しい。

「阿波女は働き者」

 経済団体のトップだけではない。

 帝国データバンクによると、徳島県内の社長に占める女性の割合は10.5%で、青森県(10.7%)に次いで全国2番目に高い。

 総務省の調査(15年)では、役員・管理職の女性比率は20.1%で全国トップ。妻(配偶者女性)の収入は47都道府県で唯一、月10万円を超える。教育の機会でもほかの地域と異なる。4年制大学の進学率(18年度)で女性が男性を上回る数少ない県でもある。

 なぜ徳島では女性の社会進出が進んでいるのだろうか。同友会の坂田さんに聞くと、こんな答えが返ってきた。

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