ロシア陸連、ドーピング隠蔽認める 新会長が謝罪

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遠田寛生 モスクワ=石橋亮介
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 ロシア選手のドーピング違反を隠蔽(いんぺい)しようと、組織的に証拠書類を改ざんした疑いで、世界陸連から東京五輪からの除外や、除名処分などの可能性を通告されていたロシア陸連は2日、不正を認めた。今年2月に就任したロシア陸連のエフゲニー・ユルチェンコ新会長が事実を認め、謝罪した。世界陸連は11日からモナコで開く理事会で、処分について協議する。

 ユルチェンコ新会長は声明で、世界陸連のセバスチャン・コー会長に不正を完全に認める内容の公式書簡を送ったと発表。世界陸連の独立監視部門「インテグリティー・ユニット」(AIU)が告発した疑いについて、「告発を完全に認めた。ロシア陸連の前体制の行為によって、陸上界が被った一連のネガティブな影響について謝罪した」などとコメントを出した。

 問題が表面化したのは昨年11月。男子走り高跳びで2017年世界選手権2位となったダニル・ルイセンコが、複数回において抜き打ちのドーピング検査を受けなかった件で、ロシア陸連が選手をかばう文書を偽造したことがAIUの調査で判明した。ロシア陸連は否定したが、不正に加担したとして、当時のドミトリー・シリャフチン会長を含む複数の幹部らが暫定的な資格停止処分を受けた。

 だが、ロシア陸連は組織的なドーピング問題で、すでに15年から資格停止処分を受けている。反省が感じられないため、AIUは最も厳格な処分案を理事会に提案。不正を認めない場合、除名や、昨年の世界選手権などで容認してきた個人資格の「中立選手」としての出場も禁止し続けるべきだとし、全会一致で承認された。

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 AIUはロシア側からの反論…

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