映画が浴びた脚光、私には届かない 韓国半地下のリアル

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清水大輔
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 ソウル南部の冠岳区。高層マンション群に隣接する地区に、屋根や壁がはがれ落ちた民家が連なっている。その一角にある「ひまわり荘」と書かれたアパートに、キム・ゴンスンさん(77)が娘夫婦と孫の4人で暮らしている。

 入り口の郵便受けに「003号」とあった。部屋番号の頭の「0」は地下を意味する。階段を八つ下りた30平方メートルほどの2DKにある窓は、ちょうど道路と同じ高さだ。日差しが届きにくいうえ、歩行者が室内を見下ろす形になるのを遮るようにキムチ用のつぼが置かれていた。10年ほど前の大雨の際は部屋が浸水し、ひざまでつかったそうだ。「風通しは悪くない」と言うが、ミカンの皮を入れたかごが消臭用に置いてあった。

 「ソウルの中にこんな暮らしがあるなんて、誰が想像できるだろうね」。ゴンスンさんがそう話す半地下は、米アカデミー賞で作品賞を含む4部門を制した映画パラサイト」に出てくる。主人公の家族が住む部屋は、大雨で水が胸までつかった。

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