編み物に支えられた被災者、「誰かのために」が力に

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川村直子
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東日本大震災9年、復興のバトン

 「被災して困っていても、できることがある。誰かの役に立てることで、心が元気になるんです。ね、みんな生き生きしてるでしょ?」。テディ・サーカさん(72)は微笑(ほほえ)む。

 米国出身で、日本に住んで45年。2007年に宮城県七ケ浜町に移り住み、高台にある自宅で東日本大震災に遭った。家族は無事だったが、町は高さ約12メートルの津波に襲われ、約35%が浸水。気力を失い、命を絶つ人が続いたという阪神大震災後の報道が頭をよぎった。幼い頃から親しんだ編み物で何かできれば――。故郷の米国から毛糸と編み棒を送ってもらい、完成したばかりの仮設住宅を訪ね、呼びかけた。「一緒に編み物をしませんか」

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 最初は参加者それぞれが小さ…

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