一人じゃ浮上できない エンタメは活力 七海ひろき

有料記事宝塚歌劇団

杢田光
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 宝塚歌劇団の元男役スターで、アーティストや声優として活躍中の七海(ななみ)ひろきさん。4月15日発売のフルアルバム「KINGDOM」では、全11曲の作詞を手がけました。退団から1年を経た今の心境、アルバムについて、一問一答でお届けします。

 ――詞はすらすら書けましたか。

 昨年出したミニアルバム「GALAXY」のときは、ひたすら今までの自分やお客様に対する思いを、バーッと書いていきました。曲を聞きながらパパパッと言葉が浮かんできたので、そこまで生みの苦しみはありませんでした。今回は11曲もあるので全体のバランスを見て作詞していくのが、なかなか難しいなと思いました。自分の中にあるものだけで歌詞をつくると、好きな言葉ばかりになってしまう。あれ?この言葉、前回の曲にも出てきたなと。

 ――使いがちな言葉は。

 「見上げる」の好きなんだなと。あとは、月とか星とか風とか。「挑んでいこう」「進んでいこう」といった挑む系の言葉もすぐ出てきちゃいますね。

 ――できあがった11曲は。

 1曲1曲全然違う雰囲気の曲になったと思うので、1曲ずつも楽しめるし、全部通して聞いても飽きないアルバムになったんじゃないかなと思っています。「愛し君へ」だけは自分で曲を書きましたが、他は「こういう曲をつくりたいです」というのを依頼して曲をつくってもらって、それに歌詞をはめていきました。

 ――アルバムタイトルに込めた思いは。

 前回の「GALAXY」は、(宝塚歌劇団の)宙(そら)組、星組にいたので「銀河にみんなで旅に出よう」というテーマでつくりました。「KINGDOM」は直訳すると「王国」なんですけど、応援してくださるみなさんと素敵な国を目指したいなという思いを込めました。もっと大きな存在になって、色んなことに挑戦していきたい。国というのは自分1人でつくれるものではないので、みなさんと一緒につくっていけたらと思っています。

 ――ジャケット写真のイメージは。

 物語性を持たせたいなと思って、自分の中で、KINGDOMという国の「王族の血を引く兄弟」という設定をつくりました。初回限定版は「人気者でいつも元気な弟」、通常版は「ちょっと病弱で優しいお兄さん」。2枚を並べると色んな想像をかき立てられると思うので、ライブもそういう物語性も感じられるものにできたらいいなと思っています。

 曲を聞いて感じるものは人それぞれで、みなさんの分だけのストーリーがある。聞いた人の分だけ広がっていく世界があったらいいなと思います。

記事後半では、エンターテインメントへの熱い思い、ミュージックビデオに登場するマイクスタンドの話が続きます。

 ――リード曲「花に嵐」は恋の衝動をうたった曲です。

 曲をいただいたとき、ミュー…

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