「働かないおじさん」を戦力に 伝えるべきメッセージは

有料記事老後レス時代

聞き手・志村亮
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千葉経済大准教授の藤波美帆さんに聞く

 老後レス時代で取り上げた「働かないおじさん」について、さまざまな意見が寄せられました。中高年層をうまく活用できる企業と、活用できない企業との違いはどこにあるのでしょうか。人事・労務の実務に詳しい千葉経済大学准教授の藤波美帆さんに話を聞きました。

 ――高齢者雇用について論文をたくさん執筆していますね。

 「ここ十数年、研究の焦点を中高年層にあててきました。毎年2千~3千社から回収するアンケートに関わり、多いときは年30~40社を訪問します。取り組みが先進的な企業の人事担当者や中高年の当事者などにインタビューしてきました」

 ――同僚が昨年末、「働かない」中高年社員を「朝の妖精さん」と名付けた若手社員の話を記事にしたら反響がありました。記事をどう思いましたか。

 「最初は正直なところ、そういう人を抱える余裕のある会社がまだあるんだ、という印象でした。『妖精さん』は、たぶん中小企業ではやっていけません。大企業の知人などからそういう方もいるという話は聞いていましたが、特殊な個別事例だと思っていました」

 「でも、うちにも、あそこにも、という反応がインターネット上にあふれたのをみると、それなりの数がいるということですよね」

 ――世代間対立をあおるなという声もありました。

 「記事にはシニア雇用のいろんな課題が表れていると思います。世代間の認識のギャップを浮き彫りにしているし、『妖精さん』といわれる当事者に自覚があるのかも気になります。企業が認識し、対策を打てているかも大事です」

 「問われるのは、シニアを会社の戦力にできているかどうかです。第一線で、ばりばりとやるだけが戦力ではありません。会社にはいろんな仕事があり、どれも重要なはず。本人も同僚も会社全体でも戦力との認識が共有できていればよいのですが、『妖精さん』と呼ぶ若手の方はそうではないということですよね」

 ――シニアも戦力にしている企業は、業績もよいのですか。

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 「はい。高齢者がきちんと仕…

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