米プロNBA経験者や現役の日本代表がしのぎをけずるバスケットボール・Bリーグで、1人の高校3年生が脚光を浴びている。福岡第一高で全国選手権2連覇を果たし、特別指定選手という制度を活用して三遠でプレーする河村勇輝。18歳はさらなる飛躍を求め、前例に乏しい決断に踏み切った。(松本麻美)
高校年代で抜群のスピードとパスセンスを持つ身長172センチのポイントガード。福岡第一高2、3年で連続日本一の立役者となった「高校ナンバーワンプレーヤー」が選手権後に選んだ道は「高校生B1リーガー」だった。過去、高校生でB1に挑んだ例はダシルバヒサシ(当時・浜松学院、現・三遠)だけ。河村は1月25日、18歳8カ月23日で千葉戦に出場し、B1最年少出場記録も塗り替えた。
河村のデビューを可能にしたのが、学校の部に所属しながらBリーグにも登録できる特別指定選手制度。サッカー界の先例にならって導入され、Bリーグでは主に大学生が活用してきた。これまで特別指定を受けた延べ159人のうち、高校生は10人。B1加入に限れば河村が2人目だ。
野球やサッカーと比べて体の接触が多いバスケットで、筋力が発達途上の高校生がプロで戦うことは難しいとされてきた。高卒からトップリーグで地位を築いた選手は、米国の高校を経由した富樫勇樹ら少数。河村自身、4月から東海大に進学予定だ。理由は「長く現役生活を送りたいので、まずは体作りや戦術知識など土台を大学で固めたい」。将来の米国挑戦も夢見るが「まだそのレベルじゃない」と現状を認識する。
ではなぜ、3カ月の期間限定契約ながら特別指定でB1に飛び込んだのか。
「成長を止めたくなかった」…
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