音楽雑誌編集長でもある広瀬和生さん(59)が書いた『この落語家を聴け!』は、昭和の名人芸を懐古するのではなく、現代落語の進化に注目した落語家ガイドとして画期的でした。長髪のヘビメタ雑誌編集長が、落語評論家として一目を置かれるようになったいきさつは?

拡大する写真・図版広瀬和生さん=池永牧子撮影

「評論家」になったきっかけ

 ヘビーメタル雑誌「BURRN(バーン)!」編集長と落語評論家。二足のわらじのうち、あくまでも本籍は前者に置くと、記者は見かけだけで思い込んでいた。

 だが、長髪にこだわるようになったのは、実は子どもの頃に好きだったフォーク歌手や学園ドラマの熱血教師らの影響で、ロックと無関係。高校も就職先も、「長髪OK」を基準に進路を決めた。

 一方、子どもの頃から落語は大好きで、テレビやラジオでよく聴いていた。長じてからは、実験に追われた東大工学部時代も、毎月のようにアーティスト取材のために海外出張をした1990年代も、高座に足を運び続けた。

 以前は「雑誌編集長・落語愛好…

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