乱射事件の現場、続く差別 黒人牧師が大統領に望むこと

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チャールストン=香取啓介
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 サウスカロライナ州チャールストンのエマニュエル・アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会は毎週水曜日、聖書勉強会が開かれる。

 「この部分が理解しがたいのですが」。19日、参加者の一人が手を挙げた。新約聖書には奴隷や召し使いに対して「心からおそれ敬って主人に従いなさい。善良で寛大な主人にだけでなく、気難しい主人にも」と求める記述がある。チャールストンはかつて、奴隷貿易で栄えた港町だ。

 エリック・マニング牧師はこう答えた。「一部の人たちはこの文言を奴隷支配のために使いました。意思に反して連行してきたことに、後ろめたさがあったからです。しかし、聖書的な観点からするとこの国の奴隷制は誤っていました」。教会の最後列のベンチには警備員が座り、防犯カメラが内部を監視する。

 2015年6月、聖書勉強会の最中に教会内で乱射事件が発生し、牧師を含む黒人9人が殺害された。事件を起こした白人の男は「人種間の戦争を始めたかった」と供述した。

 その9日後に行われた追悼式。現職だったオバマ大統領は「犯人は憎しみに目がくらみ、神の愛の力を理解できなかったのだ」と述べ、「アメージング・グレース」を歌い上げた。自身の過去への後悔と、ゆるしを与えた神への感謝を歌った賛美歌。作詞者は、奴隷商人だったジョン・ニュートンだ。

 マニングさんは、乱射事件で…

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