被爆者と知られたら…病院行かず、不安抱え生きた75年

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高橋俊成 大野晴香 北沢拓也
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 原爆投下から今年で75年。被爆者の高齢化が進む中、原告らは「認定問題に決着をつけたい」と最高裁まで訴え続けてきた。

 広島市安佐南区の内藤淑子さん(75)は、白内障での原爆症認定を求めている。生後11カ月の時、爆心地の西2・4キロで被爆した。「全身を包み込むようにして守った」と、亡き母から聞かされた。

原爆症認定制度

原爆投下時に爆心地から一定の範囲にいた人や2週間以内に被爆地に入った人、その胎児などには被爆者健康手帳が交付され、医療費は無料になる。国はさらに、指定する病気になった人には放射線の影響の有無にかかわらず、健康管理手当を支給。病気の原因が放射線で、治療が必要な「原爆症」と認定されると、より高額な医療特別手当に切り替わる。3年ごとに審査があり、治療が不要になれば減額される。

 2010年に申請を却下され、翌年に提訴してから9年。心が折れそうな時は「頑張らなければ」と自分を奮い立たせた。1月の最高裁弁論では「私たちが体験したことは、地球上のどこにおいても二度と起きてはいけません」と訴えた。

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