「完全に破壊を」ドイツテロ容疑者、人種差別の文書残す

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ベルリン=野島淳
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 ドイツ南西部ハーナウで19日あった銃撃テロ事件は、死者数が計10人となった。容疑者の男(43)は犯行前、人種差別にもとづく外国人の排斥を訴える文書を残していた。トルコやイスラエル、インドなど20カ国以上の国名を挙げ、出身者は「完全に破壊されねばならない」と書いていた。

 捜査当局やドイツメディアによると、容疑者の男は19日夜、市内2カ所のシーシャ(水たばこ)バーで発砲し、21~44歳の9人を殺害。すべてトルコなど移民の背景がある人たちで、ドイツ国籍を持っている人もいた。男は犯行後、自宅に戻り、母親(72)を銃で殺害したうえで自殺した。

 インターネット上に公開されたA4判24ページの文書の中で、ドイツでの外国人による犯罪の例を挙げたうえで、「特定の民族の存在自体が根本的な間違いで、我が国から追放するだけでは不十分だ」と主張。中東・北アフリカやアジア各国の出身の人たちの殺害を正当化した。ほかにも自らの考えを訴える複数の動画も公開していた。

 フランク連邦検事総長は20日、こうした文書や動画が「混乱した考えと陰謀論に加え、深い人種差別の考えを示している」と述べ、ほかに仲間や支持者がいないかを調べるとした。

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 メルケル首相は20日の声明…

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