スキー男子モーグルのエース、堀島行真(22=中京大)が好調だ。今季、ワールドカップ(W杯)ですでに2勝を挙げ、現在ランキング2位につける。要因の一つは、美しく見えるターンをめざした“10センチの改革”にある。
【特集】堀島行真の4years
堀島行真は、この4年間をどう過ごしてきたのか。11位で終わった平昌から4年。「選手を続けるのは難しかった」とまで話した男を再び動かした「夢」とは。
6日、米ユタ州ディアバレーであったW杯第6戦。標高2千メートルを超える体力的にもタフな斜面で、「僕にとっては最も難しいコース」。だが、表彰台を争う決勝2本目、堀島のターンは一切乱れない。減点ゼロ。「ノーミスっていうのは、まず一つやらなきゃいけない課題の一つだった」。手応え十分の滑りで、今季2勝目をつかんだ。
この冬、スキー板の長さを従来のものから一気に10センチ伸ばし、182センチに切り替えた。板は身長と同程度というのが、定石だ。堀島は身長170センチ。セオリー無視の決断に、「メーカーの人にも反対されました」と笑う。
実際、デメリットは小さくない。「(長くなると)操作が難しくなる」と語るのは、日本代表の城勇太コーチだ。時速40キロで斜度30度のコブ斜面に突っ込み、1秒間に3ターン以上を決めるのがモーグル。その中で10センチも伸ばすのは、賭けに近い。空中技も回転半径が大きくなるため、当然回りづらくなるという。
なのに、なぜ?
「長いと、板の動きがきれい…
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