東京外大のゼミ、「純ジャパ」問うアンケート 学長謝罪

山下知子
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 東京外国語大学国際社会学部のゼミが今月、SNSなどを通じて行った「日本人」意識に関するアンケートについて、「差別的」といった批判がネットであがり、同大は14日付で、「甚だ不適切な部分があった。深くおわびする」との文書を林佳世子学長名で出した。

 アンケートは2月上旬、都内で11日に開かれたゼミ主催イベントを前に、不特定多数に向けて行われた。イベントは、外国にルーツがある人が日本社会で直面する問題がテーマ。プロスポーツ選手の名前を挙げたうえで、「見た目は外国人風の人を日本人と捉えますか?」「在日朝鮮人と日本人の間に生まれた子どもを日本人と捉えますか?」「純ジャパ以外の日本人を『混ジャパ』と呼ぶことに抵抗はありますか?」などと2択で質問。ネットを中心に「差別的」「多様なルーツを持つ人が直面する問題を、粗雑に扱っている」などと批判の声があがっていた。

 ゼミの担当教員は、平和構築などが専門の同大大学院教授。同大では今後、学内の審査会でアンケートについて検証し、担当教員への対応を含めて必要な措置を講じる。同大の担当者は「説明が不十分なまま設問が始まっているので意図や狙いがよく分からない上、差別を助長しかねない設問もある。人に対してアンケートをする時は事前に審査を受けるなど、再発防止策を進めていきたい」と話した。(山下知子)

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