「吸血鬼にかまれると同性愛者に」 映画に批判広がる

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 ヴァンパイア(吸血鬼)にかまれると同性を好きになるという設定の映画「バイバイ、ヴァンプ!」をめぐり、インターネット上で「同性愛者に対する差別だ」などと問題視する声が上がっている。こうした批判を受け、同作の製作委員会は17日までに公式ホームページ(HP)上に「同性愛を差別する作品ではない」などとする釈明文を掲載した。

 HPなどによると、同作は茨城県のある町の高校を舞台に、ヴァンパイアにかまれた生徒が同性を好きになる設定。「突拍子もないストーリーで描かれる本作は、高校生の異性に対する恋愛感情や友情といったものを、予想外の展開で描かれた笑いもある青春ホラー映画となっています」などと説明している。

 名古屋市を拠点とする男性エンターテインメント集団「祭nine.(ナイン)」の寺坂頼我(らいが)さんが主演し、テレビドラマ「特命係長 只野仁」や「チーム・バチスタの栄光」などを手がけた植田尚監督がメガホンを取った。ロハスプロダクションズ配給で2月14日に東京や大阪、名古屋などの6館で公開された。

 公開後、作品を鑑賞した人たちから、同作の描写に対して「当事者を傷つける」「同性愛を笑いに扱っていて許せない」などと批判する投稿がSNS上などで相次いだ。また、同作の公開停止を求める署名活動もインターネット上で始まった。

 こうした事態を受け、同作製作委員会はHP上に声明を掲載。「この映画には一部、同性愛の方々に対し不快な思いを抱かせる表現が含まれているかもしれませんが、同性愛を差別する作品ではありません。愛とは自由であり、人それぞれの愛が尊重されるものであるというテーマのもと、製作されました」と釈明。「この作品は、そのテーマをエンターテインメントな作風で描いているため、一部の方に誤解や混乱を招いた事をお詫(わ)び申し上げます」と続けた。

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