自らも再生したノムさん 明暗分かれた2つの退任劇

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稲崎航一
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 明と暗の退任劇を思い出す。

 11日に亡くなった元プロ野球選手の野村克也さん。捕手でただ1人の三冠王、監督で3度の日本一。偉大な実績や人柄をしのぶ追悼記事があふれた。

 阪神と楽天、2度の監督退任に、わたしはともに担当記者として立ち会った。この業界でも1人だけかもしれない。

 2001年12月6日、午前0時半過ぎ。阪神の野村監督は甲子園球場の記者室で深々と頭を下げた。沙知代夫人の脱税容疑での逮捕を受け、「監督を辞任させていただくことにしました。深く、おわびを申し上げます」。やつれきった表情が忘れられない。

 暗いシーズンだった。3年連続最下位。在阪マスコミのバッシングは厳しく、監督は口を閉ざした。試合後の会見もなし。「お前ら人間じゃねえ」と報道陣を怒鳴ったこともあった。息子のカツノリを1軍で使ったことも批判された。妻の脱税事件が決定打となり、志半ばで退任した。

 11日に亡くなった元プロ野球選手の野村克也さん。阪神と楽天、2度の監督退任に、担当記者として立ち会った記者がいる。志半ばで退任した阪神時代と、運命を変えた仙台行きを振り返りました。

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 野村さんは南海の監督を解任…

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