燃料電池車の水素ステーション、不足解消へメーカー連携
燃料電池車(FCV)普及の鍵を握る水素ステーション。車会社やエネルギー会社が連携し整備を加速する。各社の出資で設立された日本水素ステーションネットワーク合同会社の菅原英喜社長に話を聞いた。(竹山栄太郎)
――トヨタ「ミライ」などFCVに水素を補給する水素ステーションの整備に取り組んでいます。
「競合する各社が『呉越同舟』でつくった会社です。ミッションは二つあり、一つはステーションの戦略的整備、つまり最適配置をしながら数を増やすことです。もう一つは効率的な運営への貢献。ビジネスの自立化を進め、利便性を高めることです」
「当社ができた2年前、国内のステーションは約100カ所でした。私たちは22年3月までに80カ所を整備する目標を掲げています。うち60カ所ほどは既存のインフラ事業者が整備してくれる見通しですが、残り約20カ所を担う事業者は私たちが新たに掘り起こす必要があります。これまで7社が加わってくれました。うち1社は岐阜県の清流パワーエナジーで、1月には高山市で新ステーションの開所式がありました。現在営業中のステーションは113カ所。19年度事業で136カ所まで増やすことになっています」
――どんな支援をしていますか。
「主には経済支援です。水素ステーションの整備には5億円ほどかかるため、金融投資家からの出資をいかして初期投資の負担を軽くしています。自動車会社からの資金をもとに人件費や修繕費などの運営費も支えています」
「各社がバラバラに取り組みを進めると、立地の重複など、投資がうまくいかせないおそれもあります。オールジャパンで水素モビリティーへ向かう姿勢を示し、呉越同舟で黎明(れいめい)期を乗りきることが必要だと思います」
――ステーション整備とFCV普及の関係は「鶏と卵」とも言われます。
「10年前、自動車会社とイ…
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